Q.1
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お互いの萌える所を正直に告白せよ |
A.1
| 「――正直に?……っておい!正直に答えなくていいんじゃなかったのか!?」 初っ端からの約束違いに、俺は充流に文句を言った。 大体、『萌え』ってどういう意味で考えりゃいいんだ?良く聞く単語だけどさ。 「多少の本音は書いて欲しいって意味じゃないの?だから……」 俺の質問に答えながら、充流は悩みもせず用紙に答えを記入すると、はい、と俺に回してきた。 えーと、充流の答えは――。 「充流、何だ、この『伸吾』ってのは?」 「だって、伸吾が伸吾だから好きなんだもん。どこが萌える所か、なんて考えた事なかったし」 「そ、そっか?」 何か、照れるな。 「で、伸吾は?僕のどの辺りに萌える訳?」 「んー、そうだなあ……」 充流の萌える所、ねえ……萌えるってこの場合、好きな、って解釈をしてもいいんだよな。だとしたら……。 「――渡辺が泣きそうだねえ、この回答」 俺の答えを見て、充流がくすくすと笑う。 「仕方ないだろう。一生懸命考えたけど、これしか浮ばないんだから」 別に充流の返事に合わせようと思ったわけじゃない。本当に一生懸命考えたんだ。でも、充流だから好き、という考えしか思い浮かばなかったんだし、しょうがないと思う。 「でも、嬉しいな。伸吾も同じ事思ってくれて」 ありがとね、と本当に嬉しそうな笑顔で俺にお礼を言う充流を見て、やっぱりこの答えで正解だ、と思った。 俺の回答も「充流」 お互いに互いの全てが萌える、という意味で。 間違ってないよな?この回答。 |